Fate/stay night レビュー


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 タイトル Fate/stay night
 メーカー TYPE-MOON
 評価 ★★★★
 攻略順 セイバー→凛→桜
 ひとこと エンターテイメント性は高いと思います。おもしろかったよ!本当だよ!
ただ、本で読みたかったかもしれない。

購入動機

アニメ版「Fate/zero」に興味を持ちまして、どうせなら以前から気になっていた本編からやるかーといった具合です。(zeroは第1話だけ見ました)
いまやっているカスタムメイド3Dにストーリーがないので、シナリオゲーを求めたってところもあります。

主人公

物語の始めの部分はヒロインの一人「遠坂凛」の視点で進むのですが、その時感じた印象は一言で表すと「朴訥」な感じ。
でも、実は「正義の味方」になろうと必死にあがく少年。
不器用だけど真っ直ぐ。そして譲らないですね!本当に!
信念のないキャラにあまり魅力を感じないので、こういうキャラクターは好印象です。
ただ無茶しすぎです。あと主人公補正が大分大きく掛かっている気がします。
普通に考えて主人公じゃ無かったら100回は死んでるよ。
(そうでもなければどうにもならないんですけどね!敵が強すぎて)

ヒロイン

セイバー

気高く、美しく、それでいて愛らしい腹ペコキャラ。

本当どうしようもなく魅力的なキャラクターでした。
ただ綺麗すぎるんですよ、彼女。エロゲヒロインにはとことん向いていないというか……。
まぁえちぃシーンや日常ではなかなかに可愛い所を見せてくれるので、ギャップ萌えは十分に得られるんですが、
それを考えても彼女の持つサーヴァントとしての強さ、高潔さ等の前には霞んでしまうといいますか。
とにかく美しいんですよ、本当。

シナリオの締めくくりは、彼女が誇り高きサーヴァントであったことを考えれば、当然の結末へ至る訳で。
でも私はこれで良かったんじゃないかなと。
信念を持ったセイバーと士郎の二人が、時にぶつかり合いながら互いを理解し合い、前に進んでいく、
そんなストーリーだったなぁと。
どっちかって言うと少年漫画のノリに近いかもしれないですね。

猫かぶり優等生(ただしすぐにはがれる)

名門の天才魔術師と、主人公の対極にいるヒロインですが、
「あらゆる事をそつなくこなし、ここ一番で失敗する」といった遠坂家の呪いとも言える欠点や、
「お人好し」「以外とお金に細かい」といった所もあり、なんだか親近感の湧く点があり、中々魅力的でした。
右も左も分からない主人公を導いてくれる案内役的な所もありましたね。
魔術師として冷酷になろうとしても、人間くささを捨てきれない。そんなところが凛の最大の魅力かなぁと。

凛シナリオは魔術師シナリオって感じですかね。魔術ではなくあくまで魔術師。
そして、士郎とアーチャーがメインと言っても過言ではないシナリオでした。
ネタバレせずに言うのは難しいですが「アーチャーという漢の生き様」には魅せられました。

聖杯に踊らされた、押しかけ妻的後輩

グランドフィナーレを飾るヒロインです。
おそらく彼女の世界には、主人公しか救いが無かったんだろうなぁと。
私は「環境によって作られたヤンデレ」や「すべてを手に入れることは出来ない。1を手に入れるために多くのものを捨てる」といった話が好きなので、お気に入りのルートです。
また、グランドフィナーレを飾るだけあって私的には一番納得のいったルートでもあります。
どのキャラにも見せ場があり、飽きなかったです。
また、主人公の下した決断も、養父・切嗣の出した結論に至り乗り越えていったものだと感じました。
桜の我儘?というには度を過ぎてしまっている行動に関しても、「これだけの事されてればこうなるよなー」ってのが正直な感想です。

そしてこのルートのイリヤを見てしまうと、彼女のルートが削除されたことが残念でなりません…。

その他キャラクター

どのキャラも大変魅力的で、捨てキャラなしですね。
特にアーチャーを始めとするサーヴァントとマスターの関係には滾るものがあります。

良かったところ

とにかくメイン・サブ問わずキャラクターが魅力的で、ストーリーも面白い。これに尽きます。
演出も凝っており、飽きることなく進められました。
Fateは文学」なんてネタもあるぐらいなので、癖が強いのかなーなんて身構えていたのですが、
思っていたより読みやすかったです。
(台詞回しや特殊なルビ、「――!!」的な表現が多く、全体的に厨二病な雰囲気は漂っていましたが)
シーンスキップも完備されていて、2周目以降のプレイも楽に出来ました。

プレイ時間は1周目に10時間、2周目以降はシーンスキップさんの大活躍により、5ルート併せて30時間ほど掛かりましたが
ダレず、飽きず、進められたという点からこの作品の面白さを分かっていただければと思います。

グラフィックはデザインと塗りのレベルが高いですね!
立ち絵が豊富で、キャラクターの仕草がちょこまかと変わるのには驚きました。

イマイチだったところ

PC版には音声がない、というところでしょうか……。
また、全面にテキストが表示されるビジュアルノベル方式で地の文が多い事から、
ぶっちゃけノベルで読みたかったです。
演出が凝っているんですが、CGの枚数も多くはないし声が無いので、ゲームより小説でちゃちゃっと読みたかったです。
その方がお気に入りの場面も振り返りやすくなりますし。
それぞれのルートで様々な事実が明らかになるというところから、不可能なのは分かるのですが。