sweet poolレビュー


 タイトル sweet pool
 メーカー Nitro+CHiRAL
 評価 ★★★☆
 攻略順 睦→善弥→哲雄1・2・3・4
 ひとこと 当ゲームには「肉」が含まれています。
生レバーを見られる程度のグロ耐性はあった方がいいです。
BL萌えとしては、「ヤンデレ」「本能的に相手に惹かれる」「悲恋」
あたりがキーワードになるのかな。糖度は低め。
※当エントリーは18禁BLゲームのレビューです。ご注意ください。

購入動機

お手頃価格になっていたから……。
いや、Nitro+CHiRALのは咎狗の血もLamentもやってたし!(Lamentはあまりの長さに投げた)
ブランド買いってことで

主人公(蓉司)

人との間に距離を置く主人公(総受け)
他人に関心がない「ほっといてくれ」系主人公。
なよなよ乙女な主人公ではありません。
ただ、人生そのものというか、基本的な性格として諦めているところがあるので、強く抵抗していないように見受けられるところもあります。

攻略対象

ほっといてくれという主人公に絡んでいく、犬系

幼なじみにいそうなキャラ。
明るくて、友達多くて、なんでもそれなりに出来ちゃう、と中々スペック高め。
ヤンデレ担当。EDはなかなか強烈です。
蓉司が普通の人だったら、きっと普通のままでいられたんだろうなぁ。

善弥

ちょっと頭イッちゃってる人。でも狂いきれないから苦しい

冒頭に出てくるスチルで私のグロ耐性(傷系)の無さが発覚しました。痛いよ!痛い!!
割とはっきり蓉司に対して執着を見せてますが、そんなのよりもですね姫谷さんとの関係に萌えました。
姫谷さんと幸せになれるルートはどこですか!?
パラレルワールドで全然構わないので、この二人がほのぼの暮らしているお話が読みたい。
姫谷とのシーンは、既読スキップを止めて読んでしまうほど好きです。
やくざ物にある「忠義から変化した愛情」を垣間見られて、きゅんきゅんしました。
その愛情が「恋愛」なのか「家族愛」なのか、二人が抱いた感情は一緒じゃないのかもしれない。
それでも掛け替えのない関係っていうのがもうたまりません。薄い本欲しい。妄想が止まらないです。

主人公との関係はそうですねぇ、良い匂いがするから惹かれちゃったんだよねぇ……、って感じです。

哲雄

人を寄せ付けないオーラを放ちつつも、オカン属性持ち

他人を寄せ付けない二人が、互いだけを特別な存在として求め合う。
そこに萌えを感じる人なら良いのではないでしょうか。
ただ、求め合う理由は本能的な物→お前以外考えられないって感じで移行していくのですが、その理由がイマイチ分からない。
正確に言えば、分かるには分かるけれどエピソードの積み重ねが薄いと言いますか。
「恋なんてそんなもんよ」と言われたらそれまでなんですが、今回の作品では「本能」で惹かれ合うところが大きいので、
個人的には精神面での変化エピソードがもう少し欲しかったかなと。

総評的な

正直何かいてもネタバレになる気がして、どうしようもないです。
と言うのも、物語の謎は8割5分ストーリーが終わった辺りにがーっと明かされるので、うん。
ストーリーは翻弄される人々系?
はまる人は嵌ると思います。執着愛とかヤンデレとかそんな言葉にピンと来る人とか、
お互いが無二の相手とかそんな感じの言葉に萌え滾る人ならきっと当たりになるのではないでしょうか。
後は悲恋属性の人にもお勧めです。どっぷり浸かれます。
逆に犠牲系が無理な人は避けた方が無難でしょう。

プレイ時間は、ボイスを特に聞かず、既読スキップを使うと5時間半程度でフルコンプリート出来ます。
ミドルプライスという点を考慮しても、これはちょっと短いかなと個人的には思いました。
ただ、自分は普段男性向けをプレイしているので、女性向けに於ける「長い・短い」の感覚にずれがあるかもしれません。
(ex:同じミドルプライスの「リアル妹がいる大泉くんのばあい」は8〜10時間近く掛かった気がします)
短い時間でフルコンプ出来ると思えば、悪くはないのかもしれませんが。

ライナーノートを見ても、今作は大分淵井さんの趣味に走ったのかなぁと思いました。
その結果が今作の「ストーリー」「キャラクター」「空気感」そして「短さ」なのでしょう。
でも、商業BLとしてのクオリティは十分に満たしていると思います。
好みが分かれる作品かとは思いますが、「悲恋」「鬱」「ヤンデレ」「執着」などと言った重苦しい雰囲気を味わいたい方は是非。
全身が怠くなる、生温い空気が立ちこめる今の季節にぴったりだと思います。

で、「萌えたのか」と聞かれると、「じわじわ萌えている」といった感じです。
強烈な萌えは正直ありません。本編で萌えたのは姫谷と善弥の関係、さらに言うなら姫谷周辺だったので。
しかし、哲雄と蓉司に関しては本編が終わった後に、ふと二人のことを考えたり、それっぽい曲を聴くとぐっとくる物があります。
ある意味「脳内補完」こそが本作sweet pool、ひいてはBLの醍醐味なのかもしれません。(言い過ぎ?)

グロについて

体内からレバーが排出される表現と、血糊がついたお化け屋敷が平気なら大丈夫だと思います。
特に苦痛表現ががっつりあるわけではないので、グラフィックさえ耐えられれば大丈夫でしょう。
苦痛表現は咎狗やLamentの方が上ですね。